父の入院、一回目の主治医のはなし

もくじ

入院一日目

翌日、入院の手続きやもろもろの準備に病院に向かう。

そして、主治医から話をきいた。

病状についての詳しい説明は、昨日聞いていたが、もう一度はなしてくれた。そして、聞きたいことはありますか?というスタンスの柔らかい先生だった。

ここの病院は、数年前に移転して新しく大きくなっている。旧病院のカルテは見ることが出来なくなっていて確認できないのだけど、担当していたという話だった。会ったことがあるか?とも聞かれたけど、ほとんど記憶はない。

いつから、咳がでていたのか?とか、いつから具合が悪くなっていたのか?とかもう少し早く連れて来ていれば悪くならなかったんじゃないかと思う必要はない。もっと早ければ、と責めたりしなくていいですよ。と優しく言われた。

きっと、そんな段階ではないのだろう。すでに検査すら出来ない状態になっているのだろう。

肺気腫、胸水、肺炎。白い影がチラホラ、腫瘍の検査も悪性かどうか調べられる状態ではないし、病名がわかったところで治療もできることは限られている。

父の年齢を考えると負担のかかる治療、すなわち手術であったり、抗がん剤、放射線などの治療はしない。

肺炎の影をなくして、日常に戻れるように点滴で栄養補給をして、痰の吸引をするという治療をしていきます、と主治医が言った。

病室での様子

主治医のはなしのあと、看護士さんに入院準備品を手渡した。その時に聞いた父の様子は、病状では考えられないくらい動くらしい。

ベットから上手に抜け出すし、行かなくていいトイレに行こうとする。

説明したときは、愛想よく聞いているが、すぐに忘れて動いてしまうらしい。

身体に付けている管や呼吸器を外そうとするかなりの問題児のようだ。転倒防止用のベッドの柵もするりと抜けて出るらしい。

かえって危ないので、柵は外しました、と言われちゃいました。

ごめんなさい。そうなんです。

家でも、大変でした。私の言うことなど、従うはずもなく、すぐに忘れるし好き勝手に生きていました。母が入院してから今日まで、同居している私に「最近来てないけど元気か?」と電話をかけてくるのが日常でした。

あいかわらずだ。「元気そうで、」(良かった)と思わず言ってしまいましたが、看護する人は大変ですよね。

その様子では、今後施設に入ることになったとしても手がかかることだろう。

自宅でなんとか、一人で生活出来るようになってくれるといいな。

入院すると認知症が進行するのではないかと心配していたけど、自分でなんとかしようと知恵を働かせて対処してる様子を知って、少し安心した。

 

父には、入院という事態に抵抗する気力が残っているようだし、生きようと頑張っている。
かなりの高齢だけど。

じいちゃん、頑張れ!

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